イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。

私と同じサラサラの栗色の長い髪。


顔は痩せているけど、私とそっくりだった。腕も細くてその姿は痛々しいけどなんだか安心する。


お母さんだ。


やっと……お母さんに会えた……。



「あら、泣いてるの?こっちへおいで」



気づいたら涙が流れていた。頬を伝う一筋の涙。だけどこの涙は暖かいもの。


私……ずっと会いたかった……。



「お母さん!」


「ふふ。ありがとう……」



手を大きく広げて私を抱きしめてくれる。大事なものを扱うかのように、優しく、強く。


私は、お母さんの腕の中で子供のように泣きじゃくった。



「萌奈……。久しぶりね」


「音桜!」



しばらく泣いていると、音桜さんがカーテンから顔を出して覗いた。私とお母さんを見るとほっとしたような表情で安心していた。



「良かった……ごめんね、助けるのが遅くなって」


「ううん、こちらこそありがとう。私の大事な娘を守ってくれて」
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