イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。

音桜さんも涙を流してお母さんと話している。本当にお互いのことを大切に思っていていい友人関係なんだなと改めて思った。


音桜さん……ありがとう。



「私、しばらく外にいるから、2人で少し話したらどうかな?」


「そうね。ありがとう、音桜」



音桜さんはにっこり笑うと病室の外に出ていった。


急にお母さんと2人きりになって何から話したらいいか分からなくなった。


たくさん話したいことはあるのに、なんでだろう……。



「聖奈ちゃん。元気だった?」


「う、うん……」



少しの沈黙の後、お母さんがぽつりと話す。



「そう。それなら良かった。私……、お母さんね、聖奈ちゃんに会いたかったけど、許されないと思ったの」


「……そんなこと、ないよ……」



私だってお母さんに会う権利はないと思っていた。こんなふうに惨めな人生送って、お母さんが産んでくれたのに、幸せじゃない日々の方がたくさんだったから。
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