イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。

でもね、私……今は幸せなんだよ。


たくさん辛いことがあったけど、大切な人がたくさんできたんだよ。



「ごめん……ごめんね。こんな形でしか聖奈ちゃんのことを守れなくて」



涙を流すお母さん。


その姿を見て、痛々しくて、思わず顔を背けたくなった。だけど、私は……



「大丈夫。ちゃんと……守ってくれた人がいたから。私にも、たくさん大切な人ができたんだよ。だからね、お母さんも……これから、たくさん私と会って欲しい」



お母さんをそっと抱きしめた。


痩せて細くなった体は今にも壊れそうだったけど、私の家族がちゃんといたんだ。今まで会えなかった分、これから満たしていけばいい。


話したいこともいっぱいあるから。



「聖奈ちゃん……ありがとう。これからは私も……そばにいるから。もうあなたから離れたりしない。約束する」


「うん。約束」



お母さんと微笑み合う。


これからは何にも邪魔されないでたくさん一緒に過ごせるね。
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