イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。

「はい。それはバイクでの暴走です」


「ぼ、暴走!?」


「……獅子堂、ちゃんと説明してからそれを言えといつも言ってるだろ。勘違いさせる」


「これは失礼しました」



なんだか物騒な言葉が聞こえて体がこわばる。


いや、今までの説明でも何度か物騒なので言葉は出てきたけどここまではっきりしなかったから頭の中が混乱中。



「暴走といっても昔のように爆音で街を走るわけではありません。綺麗なライトを照らしながらこの街の海沿いを走るちょっとしたお楽しみ会みたいなものです」


「……は、はぁ……」



そ、そうなの……?


暴走族の暴走っててっきり迷惑行為かと思ってたけど……今はそうでもないのかな。



「暴走は俺たちにとって大事な行事だ。みんなが思い思いに走り、街の安全を願って走る。チームがひとつになる瞬間は暴走族を続ける上で大切だからな」



戸惑っていると柴崎くんが説明を付け足してくれた。
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