イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
心做しか柴崎くんの声が先程よりも穏やかに聞こえた。チラッと顔を見てみたけど表情は相変わらず無表情で怖い。
「その通りでございます。それでは最後に3つ目。これが1番大事ですかね」
1番大事……。
2つ目のことも大事だと思うけどそれよりも大事な話ってなんだろう。
「それは……」
「みんなで兄さんのお姫様を守ることだよ!」
「へ?」
獅子堂さんが口を開いたのと柚月さんが声をあげたのがほぼ同時で一体何を言ってるのか分からなかった。
今、お姫様って聞こえたけど……。
「おい。勝手に口出すな」
「いだっ!もう、兄さん暴力反対!」
「そもそも俺は姫なんていない。これからも作る気は無い」
先程までの穏やかな声とは打って変わってゾクッとするほど冷たい声。
お姫様って……いったいどういうことなんだろう。
「お前ら、説明の前に騒ぐな。皇さんが困ってる。獅子堂、続き頼む」