イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
……こいつ、大丈夫か?
自分の片割れながらに怖いことをしていてゾッと背中に寒気が走る。
俺は女子が嫌いだから全然わかんねぇけどこいつはいつも女と遊んでるからな……。何を知っていてもおかしくはない。
「まぁいい。それよりその詳細を教えろ」
「ふふ。了解!」
柚月から資料を受け取り、しばらく無言で読んでいるとそこには壮絶な人生の物語が書かれていた。
本当に現実で起きたのか?
と疑いたくなるほど、苦しい現実を彼女は歩んでいた。普通なら他人には感情移入はしない。
むしろ拒絶していた。
だけど今回ばかりは腹の底から怒りが込み上げてくる。
「なぁ、柚月」
「ん?」
「これは……本当なのか?これが……あいつの送ってきた人生なのか?」
紙を握る手に力がこもる。
こんなに怒りを顕にしたのは久しぶりかもしれない。
「……そうだよ。ほんの少しだけ聖奈ちゃんの情報は知っていたけどまさかここまでとは思わなかった」