イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
俺も今決めた。
本当はまだ自分の気持ちは分からない。だけど……皇のことは諦めたくない。
「皇のことはお前にやれない。俺だって皇のことを気に入った。こんな状態のやつ、ほっとけるかよ」
あの日……皇を見つけたあの日から心の中はあいつのことでいっぱいだ。
他人のことを気にかけるなんていつぶりだろう。
俺自身が1番この心境の変化に驚いてる。
「……え、兄さんが聖奈ちゃんに恋……?」
「なわけねーよ。父さんからの命令だからな。一時的に保護するだけだ」
柚月に言ってからハッとする。
俺は今……何を言った?
「へぇ……これは面白くなりそうだね!僕だって負けないんだから!」
「いや、だからなんの勝負だよ!」
柚月に思わず突っ込む。
この俺が皇に恋?
そんなわけ、ねーだろ。
ただ、ほっとけないだけだ。
「じゃあそうと決まればみんなに報告!明日の昼休み、聖奈ちゃんを屋上に呼び出そう!作戦会議だよ!」