イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
もう二度とあんな人たちと関わるのはごめんだ。
ただでさえ私の立場は弱いのにこのことが全校生徒に知られたらどんな目にあうか。
昨日の放課後も相当注目されてたな……。
私は安心して靴を履き替える。自分の教室に向かおうと2年生の教室がある、三階についた。
……と、ここまでは無事に来れたんだけど……なんか誰かに見られてる?
嫌な視線を感じてその場で立ち止まる。
だけどそれがいけなかった。
「せーなーちゃん!」
「ぎゃあ!」
誰かが後ろから抱きついてきて、思わず叫んだ。いや、ぎゃあってなんだよ。女の子なんだからもうちょっと可愛い悲鳴出せたよね!?
「しっ。そんな大声出したらみんなに気づかれちゃう!こっち!」
「んぐぅ!?」
急に抱きついた人物は何となくわかった。この甲高い声、この背の高さ。
だけどそれを確認する前に私は口を塞がれ、ズルズルと後ろに引っ張られる。