イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
「な、何を言ってるの?そんなこと……」
「やっぱり、何も知らないんだね」
「…………?」
ますますわけが分からなくなる。柚月はいったい何を言ってるの?
私のことを心配する人は誰もいないんじゃ……。
「これから説明する。聖奈ちゃんにはちゃんと知ってもらわなきゃいけないからね。それに……」
「それに?」
「兄さんに渡すものがあるでしょ?」
……渡すもの……。
「あぁぁ!学生手帳!」
「声大きい……」
柚月に言われて思い出した。昨日柴崎くんの学生手帳を拾って返していないままだ。
どうしよう。
このままではまずい……。
「ね、ねぇ。柚月の方からこれ渡してくれない?」
どうしても関わりたくない私はリュックの奥から手帳を取り出すと柚月に手渡す。
だけど……
「それはヤダ。自分が拾ったんだから自分で返しなよ。……そうと決まれば屋上行こう!」