イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
「お、屋上!?っていうか離してー!」
私のお願いはやんわりと断られ、どこかへ引っ張っていこうとする。
屋上って……立ち入り禁止なはずじゃ……。
「兄さん達が待ってる!さぁこっち!」
「……いやだぁぁ!」
柚月に引っ張られながら、学校に鳴り響くチャイムの音を聞いたのだった……。
***
「たっだいまー!兄さん!約束通り連れてきたよ!」
ちょ、声大きい!
私は学生手帳を返しにきただけ!
そんな大袈裟にしないで!
「おー、やっと来たか。柚月にしては手こずったんじゃない?」
「あはは!意外と聖奈ちゃんって警戒心強くてさー、手を噛まれちゃったよ。ほら!」
「や、やめてよ!」
お願いだから変なこと言わないで!
ケラケラと笑いながら私が噛んだ手をみんなに見せつける。や、やっぱりついてくるんじゃなかった!
あれから本当に屋上に連れてこられた私はヒヤヒヤしながら柚月の後ろにいた。