イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
そ、そりゃそうだよ。
だってあの柴崎くんだよ?
冷酷無慈悲な柴崎くんが女の私にこんなことをするなんて……いったいどうしちゃったんだろう。
もしかして……なんかの罰ゲーム?
「あー!兄さんズルい!聖奈ちゃんは僕の隣に座ってもらう予定だったのに!」
「柚月はうるさい。ほら、早くこっち来い。玲於、なんだその目は」
ボケっとしていると柚月が追い打ちをかけるようにとんでもないことを言ってくる。
いやいや……なんで私が柚月の隣に座らなきゃ行けないのよ!
「……柚琉、何やってんだ。お前らしくないぞ」
「玲於には関係ない。俺は自分の意思に従ってるだけだ。皇……いや、聖奈。こっちおいで」
「……は、はい……」
い、い、いったい何が起こってるの!?
柴崎くんに名前を呼び捨てにされ、ドキドキと心臓が暴れる。あんな甘い声で名前を呼ばれたことなんてない。
……多分、気まぐれなんだろうけど。