イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
柴崎くんの代わりに私が答える。
「は?柚琉、お前何したらああなるんだよ」
私が指指した方向を見て月城くんが驚く。そりゃそうだよ。だって柚月がいた場所は屋上の隅っこ。
体育座りをして明らかに落ち込んでいる。
機嫌がいい柴崎くんとは打って変わってケンカで負けたらしい柚月はずっとあの調子。
「……やっぱりお前ら正反対だな。ここまで来るとほんとに双子なのか疑いたくなる」
それは私も思いました。
「早くあれを何とかしろよ。じゃないと話がまとまらない」
「愛魅くんが行ってきてよ」
「は?なんで俺?」
……誰が柚月を連れてくるか押し問答になってしまった。柴崎くんは柴崎くんで相変わらず私を見るし。
これじゃあなんでここに来たかも知ることができないよ……。
誰か助けて。
「……皆様。お待たせ致しました。って、これはいったいどういう状況ですか?」