イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
どうしようか悩んでいると屋上の入口から落ち着いた声で尋ねる人がいた。
そっちに顔を向けると……
「し、獅子堂さん!?な、なんでここに……」
そう。
そこにはタキシードをビシッと着こなした獅子堂さんが立っていたのだ。
本来ならここにいるはずないのに何故か学校にいる。
「言ったろ?日向は俺たちの専属執事。俺が呼んだらすぐに駆けつけるっていう約束がある。学校側にもこのことを通達しているから問題ない」
「そ、そうなんだ……」
「はい。その通りでございます。それにこれはお父上様からの命令でもございます。大切な皇様もご一緒であればなおのこと。私はいつでも飛んできますよ」
し、柴崎家の財力って……。
説明を聞いてわかったんだか分からないのかいまいち掴めない。
だけど獅子堂さんが来てくれたから安心したというのはある。
「ほら、柚月様。早くしないと話し合いになりませんよ。今日中に対策を話しておかないと」