イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
などと柚月に声をかけながら引っ張ってきて無理やりみんなの輪の中に引きずり込む。
「だって〜」
「みんな揃ったな。じゃあこれからの対策を話していく。まず、状況説明を獅子堂から」
「はい」
ぼーっとしていると話し合いが始まり、空気がピンと張り詰める。
肌寒い空の下で、謎の話し合いが始まった。
「それでは皇様。今までの出来事、そして皇様の立ち位置について話をしていきますね」
「わ、私の立ち位置……?」
急になんだろう。
なんで私がこの場にいなければいけないのかまだ分からないけどみんなの視線が痛い。
そんなに私に関わることなのかな……。
「はい。皇様は孤児院出身だとお聞きしました。最近はアパートに一人暮らし。バイトをいくつも掛け持ちしていて、毎日バイト三昧」
「な、なんでそのことを……」
獅子堂さんは淡々と私のこれまでのことを話し始めた。まだ誰にも言っていないのに自分のことを知られている。