イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。

真剣な柴崎くんの声。


私はその声に考えるまでもなく頷いた。どうしてだろう。柴崎くんの声を聞いた瞬間、落ち着いた。



「皇さん、あなたの家族は……まだ、生きてるよ。お父さん、お母さんも健全だ」


「生き、てる……?本当に!?」



思わぬ両親の生存が判明し、涙が溢れる。


亡くなっていると聞かされていた両親はまだ生きていた。その事実を知っただけで心の中に暖かいものが広がっていく。


だけど……



「じゃあ……なんで私を孤児院に預けたの……?」



そこが1番疑問に思った。


お父さんもお母さんも生きているんだったら両親の元で育ちたかった。


暖かいお父さんとお母さんの腕の中にいたかった。


なのに、なんで……。



「それは……」


「月城様、ここからは私が」



獅子堂さんが月城くんの言葉を遮って口を開く。溢れる涙を拭いながらじっと獅子堂さんを見つめる。
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