イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。

顔は見たことないけど名前なら何度もテレビのニュースで聞いたことがある。


同じ苗字だから印象に残っていたけど本当にその人が私のお父さんなんだ……。


ニュースでは皇当主から派遣された人間が捕まっただの、警察が捜査しても手がかりが掴めないことで有名だった。


大きな御屋敷を構えてるらしいが誰も当主の顔を見たことがない。部下でさえ知らないというのだ。



「……お前、大丈夫か?」



息をするのも忘れるくらい、衝撃的な事実で、碓氷くんが声をかけるほど。さっきまで黙って聞いていたけどよほど私の表情が険しかったのだろう。


みんな、私のことを見ていた。



「だい、じょうぶ……それじゃあ、お母さんは?お母さんもまだ生きてるんでしょう?」


「はい。名前は皇百合香(すめらぎゆりか)様。元は一般人だった人です」


「一般人……」



お母さんが一般人と聞いてほっと胸を撫で下ろす。
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