イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
お母さんまでお父さんみたいな人だったら私は多分今頃生きてはいないだろう。
そして……ここにはいないだろう。
「……聖奈ちゃん」
「わっ!柚月……?」
頭の中で情報を整理していると急に後ろからふわっと誰かに抱きしめられた。
だけど名前を呼んだ声ですぐに誰かわかった。
まるで私の不安を取り除こうとしてくれてるみたいで、柚月の腕の中は暖かい。守るよ、と言われてるようで安心する。
「大丈夫だよ、柚月……って、柴崎くん……めちゃくちゃ睨んでるけど……」
「おい、柚月。今すぐ聖奈から離れろ。じゃないとひねり潰す」
柚月の温もりを感じていると柴崎くんから視線を感じた。恐る恐るそっちをむくと怖い顔をして柚月を睨んでいる。
「やだ!だって兄さんばっかりズルい!聖奈ちゃんのこと独り占めするなんて、ルール違反!」
「いつから聖奈のルールができたんだ。お前はスキンシップが多いから心配なんだ」
「それ、兄さんに言われたくない!」