イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。

欠伸をしながら階段を登る。


こんな退屈な日常からいつか抜け出せるのだろうか。こんな毎日が続くのは嫌だな。


ーカシャン!



「ん?」


「なんだ?」



階段を登っていると後ろから何かを落としたような音が聞こえた。


音がした方へ振り向いてみる。


いつもだったら何も気にしないのに今日だけは反応してしまった。それは兄さんも同じだったらしい。


足を止めて階段の下を見つめる。


ードクンッ。



「あ、あの子……」


「知り合いか?」


「いや……知らない」



そこには女の子がいた。その子は当たり前だけどこの学校の制服を来ていた。


その子を見た瞬間、心臓が大きく跳ね上がる。


だって……あの子は写真の中にいた人物にそっくりだったから。この学校にいるはずがないと思っていたからこんな偶然あるのかと疑ってしまう。


だけど……背中まで伸びたサラサラの栗色の髪。


顔は見えないけど写真でずっと見てたからわかる。背格好が同じだ。
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