イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
やっと……やっと出逢えた……。
「……柚月?お前、顔が赤くないか?」
ぼーっと見つめていると兄さんに顔を覗き込まれる。
「あ、赤くなってないよ!いきなり何!?」
「そんな怒んなよ。ま、早く行こうぜ。さっさと終わらせて彼女を探さないと」
「……うん」
それはもう必要なくなったけどね。
このことは兄さんにはバレたくないからひっそりと喜ぶ。やった。やっとお姫様に出逢えた。
僕は前から決めていた。
彼女が現れたら、絶対にNIGHTMAREの……僕のお姫様になってもらおうと。
気づかれないように平静を装っていたけど心が高ぶってまた振り返った。その時、彼女と目が合った。
一瞬だけ、僕を見た。
やっぱり、あの子だ。
写真で見るよりも断然可愛い。だけど生気を失ってるようなそんな雰囲気を醸し出している。
現実で見る方が、彼女の傷はずっと深い。