イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
ぎゅっと胸の当たりを握りしめる。
柴崎くんたちと出会ってから初めての感情ばっかりで毎日が充実している気がする。前までは考えられなかった、柴崎くんたちとのこの関係。
これは……仲間というより……友達に近い、のかな。
「それではどうぞ……」
「あー!聖奈ちゃん!やっと会えたぁ!」
「ふぎゃ!え?く、苦しい!」
獅子堂さんがドアを開けた瞬間、誰かが勢いよく飛び出てきた。少し高めの女性の声。私の名前を呼びながら抱きついてくる。
ぎゅうっと強く、優しく抱きしめてくれて、なんだか……安心する。
「は?なんで母さんがいるんだよ!?」
「か、母さん!?」
誰かの腕の中で悶えていると柴崎くんが驚いたように叫ぶ。
え、いま母さんって言った!?
この人、柴崎くんのお母さんなの!?
「もー。そんな顔しないでよ。獅子堂くんには連絡したわよ?お父さんも一緒に帰ってきてるから」