イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。

完全に私の分からない話をしている……。


ぎゃあぎゃあといつもみたいに騒がしいふたり。だけど親の前だからか少し嬉しそうな表情をしていた。


騒がしいけど暖かい。


こんな家庭に育ってきたんだな……。



「獅子堂、両親が帰るなら前もって言っとけ。なんで今回言わなかった!?」


「それは……私のサプライズでございます。皆様ずっとピリピリされていましたので今日だけはゆっくりして欲しいと思ったのですが……早々に喧嘩になるとは思いませんでした」



後ろで会話を聞いている私はきっと邪魔なんだろうな。優しい柴崎くんと柚月のことだからきっと無理に私のことを家に呼んだのだろう。


この家族の空気を……壊したくない。



「柚琉、柚月、母さん。少しは落ち着いてくれ。聖奈ちゃんが困っているだろう?喧嘩する前にまず言うことがあるんじゃないのか?」



ぼーっとしているとお父さんが私を見つめる。


ハッとして顔をあげるとみんな私を見ていた。
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