イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
みんなして頷くと一斉に口を開いた。
「「「聖奈(ちゃん)。柴崎家へようこそ。おかえりなさい」」」
「……な、なんで……なんでみんな私に優しくするのぉ……ふぅ……ヒック……うわぁぁん!」
みんなが私を受け入れてくれた。
こんな邪魔者でしかない私なんかを。感じたことがない優しい空気に包まれながら、私は止まらない涙をひたすらに流した。
まるで小さい子どものように泣きじゃくった。
もうとっくに忘れていた感情。
寂しいのに素直になれない私が、こんなにも……優しさで満たされるとは思わなかった……。
***
ーコトン。
大きなテーブルに白くて可愛いカップが目の前に置かれた。
「はい。気持ちが落ち着くはちみつミルクよ」
「あ、ありがとう、ございます……」
柴崎くんのお母さんはにっこり笑うとソファに座る。
「なぁ。今回は日本にいつまでいられるんだ?」
「あー、今回はだいぶ長い休暇を取ってある。年末まで一緒にいられるだろう」