イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
私が泣き止むまでそばにいてくれた柴崎くんと柚月。だけど特に涙の理由を聞いたり話しかけたりしないで私のことを見守っていた。
それがまた私の心に響いて泣き止むまでしばらく時間がかかってしまった。
このふたりの前で泣くのはちょっと気恥ずかしかったな……。でも久しぶりにスッキリした気持ちになった。
「じゃあ、改めて話をしようか。まずは自己紹介からね。柚月たちはもうしたんでしょう?」
「当たり前だ」
「もちろん!」
柴崎くんとお父さんの会話が止まるとお母さんがみんなを集める。そういえば私……柴崎くんたちのご両親とは初めて会うんだった。
私のこと、ちゃんと知っているのかな。
「ふふ。聖奈ちゃんのことになると息ぴったりね。どうする?お父さんから話をする?」
「……そうだな。私は手短に話す。詳しいことはお前から話してやれ」
「わかったわ。柚月、柚琉。少しは大人しくしていてね」