イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。

小さい子を宥めるようにシーっと人差し指を口元に当てている。


この仕草がなんだか可愛くて思わず笑ってしまった。



「改めて皇聖奈ちゃん。柴崎家へようこそ。大体のことは柚琉たちから聞いていると思うから私は自己紹介だけさせてくれ」


「は、はい」


「私の名前は柴崎実琉(しばさきみのる)。聖奈ちゃんも知っていると思うけどIT企業の柴崎グループの社長を務めている」



この人が、柴崎グループのトップの社長さん。


テレビで何度も見たことはあるけど実際に会ってみると威圧感が半端ない。


だけどどこか優しくて、冷たいとは感じなかった。まるで柴崎くんみたいだ。



「じゃあ次は私ね。私は柴崎音桜(しばさきいお)。柴崎グループの副社長を務めています。よろしくね」


「よ、よろしくお願いします……」



この人を見ているとトクトクと心臓が優しくなる。


会ったことないのにどこか懐かしくて、ずっと知り合いだったかのよう。
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