イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。
「聖奈ちゃん。私はずっとあなたの事を知っていたわ。本当に……萌奈(もな)とそっくりね」
「……え?」
音桜さんから聞き覚えのない名前が聞こえた。
だけど音桜さんの見る目はどこか懐かしいものを見るような目。萌奈という名前が出てきてドキン、と心臓が反応した。
「萌奈は、優しくて、誰にでも平等で。だけど愛する人にはきちんと最後まで愛すと決めた。だから……あなたと萌奈は離れ離れになってしまったのね」
「う、……そ……音桜さん、それってもしかして……」
「そう。聖奈ちゃんのお母さんのお話よ」
「…………おかあ、さん……生きてるんだね……うっ……」
どうしよう。
せっかく涙が止まったのにまた涙が出てきちゃった。本当に情けない。
だけど……お母さんの話を聞けるとは思わなくて。
嬉しいやら悲しいやらで頭の中はぐちゃぐちゃだ。
「聖奈ちゃん……」
「聖奈。大丈夫だ」