イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。

涙を流していると隣に座っていた柴崎くんが私の手を包み込む。


その手は大きくて、暖かくて、優しい。



「ありがとう……」



柴崎くんが隣にいると安心する。なんでだろう……。不思議と心が落ち着くんだ。



「それでね、私……萌奈とは小さい頃からの幼なじみでずっと中が良かったの。萌奈は昔からまっすぐで頑張り屋さんでねぇ」


「そうなんですか!?」



音桜さんからの衝撃的な発言に驚きを隠せない。


私のお母さんと幼なじみだったなんて。昔からの友達だったんだ。じゃあ……



「お母さんのこと、知ってるんですか?いま、どこにいるのか……なんでお母さんはそんな危ないところに行ってしまったのかとか……」



正直、事実を知るのは怖い。


今まで踏み入れたことの無い世界。どんなことが起こっているのか、なんでお母さんは私を手放したのか。


怖いけど、きちんと事実を知らなければ行けないと思った。
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