魔法にかけられて。
「今日、
他の女の子からももらったのかなって。

悠希くん人気者だし、
少しもやっとしてたって言おうとしたの。
それだけ!」


「……。」


「黙られた方が
恥ずかしさが増すんだけど……?」



黙り込んでしまった悠希くんを見ると
何故か頬を染めて、
それを隠すかのように
口元を手で覆っている姿が見えた。



「悠希くん?」

「いや、美那穂ちゃんも
ヤキモチとか妬いてくれてたって事実に
嬉しさが爆発してる。

俺だけじゃないんだなって思えて、
また幸せな気持ちになっちゃった。」



つられるかのように、
次第に私の顔も熱くなる。

恥ずかしさを誤魔化すように
鞄の持ち手をぎゅっと強く握った。
< 32 / 36 >

この作品をシェア

pagetop