砂嵐のいたずら
☆第2章☆ 月の砂漠
サラサラサラサラ…
サラッ…
空から砂が落ちてきて、私の頬を撫でた。
「ん…」
いつの間にか気を失っていたようだ。
ここは…天国?
ではないみたいね。
ふと見上げると、
機体の天井には大きな穴が空き、そこから砂が吹き込んでいる。
照りつける太陽によって、全身から容赦なく汗が流れ落ちる。
どうやら助かったみたいだ。
ところで、ここはどこ?
窓から外に目をやると、
私の眼前にはどこまでも砂に覆われた砂漠が広がっていた。
あれだけの高さから落ちたというのに、まだ生きているということは砂漠の砂がクッションの役割をして、墜落の衝撃を和らげてくれたのだろう。