砂嵐のいたずら
何とか脱出できたけれど、ここは砂漠のど真ん中、気をつけないと熱中症に脱水症状になりかねない。
幸い、日没も間近、そして今夜は満月。
ここには医療関係の資格を持った人間は私と堀口先生だけだった。
怪我人もざっと見て100人は軽くいる。
かすり傷程度の乗客は客室乗務員に任せて、私はトリアージ(病気や怪我の緊急度や重症度の判定)をしていった。
先生と相談した結果、
トリアージ・カードの代わりに負傷者の手にマジックで数字を書いた。
1は最優先の重症者
2は命に別状のない、中等症者
3はそれ以外の軽傷者
0は助かる見込みのない者、または死亡者
と、トリアージカードに準じた分類をした。