砂嵐のいたずら
私の最後の旅は中東のドバイ、
何故ドバイなのかって?
ドバイには私の両親が仕事で駐在しているから、別れを告げるため、
ただそれだけの話…
機内に入ると、私の座席の隣にはもう誰かが座っていた。
明るいブロンドヘアーに紺碧の瞳を持った若い白人男性。
死ぬなんてことを考えていなければ、ときめいて浮き足立ってしまうところだけれど、
今の私にはそんな感情も湧き上がっては来なかった。
「失礼します…」
英語で話しかけると、彼は無表情で席を立った。
「ありがとうございます。」
お礼を言って、座席に就こうとした時に私の肩が彼に触れてしまった。