砂嵐のいたずら
『ふたりの間に温度差が生じてしまったんだな…』
彼はぽつりと呟いた。
私は頷くと、
「ま、そういうこと。
彼のジェフリーの寂しさに気づいてやれなかった自分に嫌気がさして…死ぬことで、全てのことから逃げ出そうとしていたの。
でも、今ここで綺麗な月の砂漠を見ているうちに、何だかバカらしくなってきた。
もう少し、逃げないで生きてみたいと思えるようになってきたの。
もっと強くならなきゃ…ってね。」
私は再び空を見上げた。