砂嵐のいたずら
『な、何ぃぃぃ?』
彼の怒りは頂点に達し、頬が紅潮してきた。
でも、この辺にしておかないと…
「これ以上やると他のお客様にご迷惑になるわ、飛行機降りてからだったらいつでも受けて立つわよ。」
彼にそう牽制をすると、窓際にもたれかかって眠りに就いた。
彼は何か私に言いたそうな様子だったけれど、敢えて無視をした。
飛行機の規則正しいジェット音を子守唄代わりに聞いて貪るように眠っていた私だったけれど、
ふと、違和感を感じて目が覚めた。
隣に目をやると、彼は仕事の書類に目を通しているようだった。