砂嵐のいたずら
家に戻ると、急いで荷物をまとめて、祖父母に別れを告げた。
私の突然の旅立ちに、ふたりとも驚きと寂しさを隠しきれないといった様子だったけれど、
今度帰って来る時には、素敵な報告を待っているからと温かく送り出してくれた。
「ママのおじいちゃんとおばあちゃんにもよろしくね!」
そう伝言をして、慌ただしく成田行きの便に乗り込んだ。
飛行機が飛び立つと、窓から見えるロッキー山脈が、次第に小さくなっていった。
いつもなら、寂しい気持ちになるのに、今日の私は何故か違っていた。
早く日本に戻って仕事がしたい。
生まれ変わった自分を見て欲しい…
満ち溢れた希望を胸に、日本へと向かった。