砂嵐のいたずら
☆第5章☆ 逃がさない…
日本に戻った私は、迷うことなく、自宅マンションへと直行した。
部屋に入ると、
ビリビリッ!!!
机に置いてあった両親や祖父母、友人達に宛てた遺書を破り捨てた。
もうこの先、自分から命を絶とうなどと思うことはないだろう。
死に場所を求めていた私は、あの砂漠で死に、もうここにはいない…
砂漠で命を落とした人達のためにも強く生きなければ、
生き残った私は、彼らに恥じないような生き方をしたい…
心からそう思った。
職場復帰する前に、もう一度精密検査を受けるように会社から言われ、指定の大学病院へと出向くと、
『マナ、久しぶりだね。』
あの時砂漠で、一緒に救護活動をした堀口先生と思わぬ再会を果たした。