砂嵐のいたずら
何と堀口先生は、大学病院の内科医、しかも教授という立場の方だった。
「ごぶさたしております、先生。お元気そうで何よりです。」
私がそう言うと、先生はクスクス笑って、
『本当にキミは、日本人よりもきれいな日本語を話すんだね。うちの若いドクターやナースに聞かせてやりたいくらいだ。』
そんな話をしながら、診察をし、検査結果を聞いた。
『検査の結果は異常なし、今からツアコン復帰しても大丈夫!』
思いっきり太鼓判を押された…。
『ところでキミはあの金髪の彼とあれから会ったのかな?』
ドキッ!
私の脳裏に、再会した夜の出来事が浮かび上がった。
「か、彼が…ど、どうかしたんですか?」
平静を装っているつもりだけれど、何故かカミカミだった。
『彼、キミのことが好きなんじゃないかなと思っただけ…』