ファンタジック・バレンタイン
「でも私、お金持ってなくて。」



女の子がしょぼんとしてみせるので、私は女の子の頭を撫でた。



「いいよ。私がお金出してあげる。」



「わーい。ななちゃんならそう言ってくれると思ってた!」



ちゃっかりしてるなあ、と思いながらも乗りかかった船だし、最後まで付き合うことにした。



「そう言えば、あなたなんて名前?」



私が女の子に名前を聞くと、女の子はこう答えた。



「私はナコっていうの。よろしくね。ななちゃん。」



「うん。よろしくね。」

< 10 / 31 >

この作品をシェア

pagetop