ファンタジック・バレンタイン
バレンタインデー当日でもまだまだ需要はあるようで、その洋菓子店の店先には沢山のチョコレートが飾られていた。



私とナコちゃんはその中から、ネコの形のチョコレートを目を皿にして探した。



簡単に見つかるものだと思っていたけれど、ネコの形のチョコレートはなかなかみつからなかった。



私はやっとそれらしいチョコを見つけて、小躍りしそうになった。



「ナコちゃん!ほら、あったよ!」



私は透明な袋に入れられた、耳がふたつ頭の上に付いているチョコレートを指さした。



しかしナコちゃんは小さく首を振った。



「ななちゃん。あれはウサギだよ?」



「ええ?そうなの?」



たしかによくみると、耳が少し長い。



「ウサギじゃダメなの?ウサギだって可愛いよ?」



「うん・・・可愛いけど、ネコじゃなきゃダメなんだ。」



「そう・・・。」



きっとなにかネコに深い思い入れがあるに違いない。



もう少し頑張って探してみようか。

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