ファンタジック・バレンタイン
高梨広臣君の事を知ったのは、体育祭実行委員会で一緒の係になった時。



高梨君と私は競技が終わった後の備品を片付ける係だった。



第一印象は怖そうな人。



無口だし、背が高くて肩幅も広くて威圧感あるし、何考えているか判らない系男子、だと思ってた。



だから一緒の係をやるのも、正直気が重かった。



けれど間近で見た高梨君は、本当はすごく優しい人だった。



重いモノを運ぶのを嫌がる男子の中で、高梨君は率先してそれを行っていたし、入学して間もない一年生には、さりげなくそれでいて丁寧に仕事を教えてあげていた。

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