ファンタジック・バレンタイン
それからの私の学校生活は、高梨君を目で追うことが日課となった。



そして高梨君の色んなことを知った。



部活はサッカー部で、副部長をしていて、ポジションはDF。



相手からの攻撃を崩し、しっかりボールを奪って仲間にパスする。



サッカーに興味がなかった私だけれど、試合がある時は友達を誘って一番後ろの席でこっそり高梨君を応援した。



高梨君は本も好きみたいで、よく図書室で一人本を読んでいた。



何の本を読んでいるのかと本棚の陰でじっと目を凝らして見ると、超常現象の本を中心に読み漁っているようだった。



高梨君・・・UFOや超能力に興味があるのだろうか・・・と意外に思った。



私も高梨君に倣って、テレビで放送されている不思議な現象を特集した番組や、「Xファイル」という海外ドラマを観たりもした。



高梨君の世界に少しでも近づきたかった。


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