別冊・ダブルブルー
ほどなくして聞こえてきた、青さんの穏やかな寝息。


私も、青さんの真似をして目を閉じた。


子守唄みたいだなぁ。


規則正しく、隣から聞こえてくる寝息に、そんな風に思う。



いつの間にか、ぐっすり眠っていたらしい。


ベッドの隣の余白には、ぬくもりしか残っていない。


もう青さんは出掛けてしまったのだろうか。


失意の中、バスルームへ続くドアを開けた。


「あ、蒼ちゃん起こしちゃった?ごめんね。おはよ」


振り返った青さんと目があって。


思わずその腰に、抱きついた。


「…行っちゃったかと思った…」


「大丈夫、だよ?出る前に起こそうと思ってた。だって、蒼ちゃんにちゅーしてもらったら、仕事頑張れるから」


ふふふ。どした?寂しくなっちゃった?


抱きついた私の旋毛に、リップノイズつきのくちづけを落としてくれた青さん。



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