別冊・ダブルブルー

「お菓子の用意もしてきますね」


まっすぐに向けられた、青さんからの視線がくすぐったくて、それを避けるようにソファーから立ち上がった。


立ち上がったの、に。素早く私の右手首をつかんだ青さんの左手。


一瞬でよみがえったのは、青さんと初めて出会った、あの場面。


青さんの目を思わず見つめたら、青さんも私を見つめている。


「…あ、蒼ちゃん。あの日みたいな目をしてる」


…あの日みたい、って…？


ゆっくりと問いかけた私の声が、ふたりだけの部屋に響いた。





「…初めて蒼ちゃんに出会えた、日」
「…初めて青さんに出会えた、日」



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