別冊・ダブルブルー
「蒼ちゃん。顔、あげて?」


「…いやです」


「またまたまたまた。オレの笑顔に癒されたいくせに」


「…い、癒されたい、けど…」


ふふふ。蒼ちゃん、素直、だねぇ。ほら。


そんな会話のキャッチボールの末、青さんの両手が下を向きっぱなしの私の両頬に優しく触れた。


そのまま、ぐいと、両頬の熱を伴うてのひらの強さで、青さんの前に顔が晒されてしまう。


恥ずかしくて、青さんの視線を避けてしまうけれど、そんか私の恥ずかしさを全部受け止めてくれる青さんは、右往左往する私の視線をすべて追ってしまう。


そんなやりとりをしている間に、


『ばちっ!』


音がするほど、真っ直ぐに合わさった、視線。






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