別冊・ダブルブルー
「蒼ちゃん。こんなに冷たくなっちゃって」


私の頬や、鼻先を滑る青さんのあたたかな指先。


あまりの、気持ちよさに自然とくっつくまぶた。


薄いまぶたの裏には、青さんの吐息が透けている。


そのいろを表現すれば、深い海の底に、一片の光を灯す、淡くて深いブルー。


私はそのブルーいろの、正式名称を知らない。


でも、知らなくてもいいんだ。


あえて、知る必要がないのだと。


この、ちいさなココロを照らしてくれるブルー、だ。


その事さえ、私がわかっていれば、それで、いい。


きっと、それだけで、いい。




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