別冊・ダブルブルー
お互いの名前以外は、一文一句違わない揃った声に、ぽかんとしたまま、見つめ合う。


「…あ、蒼ちゃん、鳩豆」
「…あ、青さん、鳩豆」


ふふふ。
ふふふ。


またも揃った文言に、笑い声までお揃いで、ふわふわゆらゆら、あたたかい気持ちがこの空間を満たしてゆく。


どちらともなく、顔を寄せて。


そうしたらもう、その後の展開はひとつだけ。


お互いの息が、お互いのくちびるに触れて、重なる柔らかな熱に笑みがこぼれた。






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