鬼上司は秘密の許嫁?!溺愛されるなんて聞いてません
―とはいえ、このお客さんはクレーマーとはちょっと違うような…。

「まぁいい。案内してくれると言ったな?それなら、先月発売されたシンプルモードシリーズを見せて貰おうか」

出た!シンプルモードシリーズ!!

これは先月発売された使い心地バツグン、シンプルなデザインなのに色使い等がオシャレとあって、オフィスで人気急上昇中の今一番オススメのアイテムだ。
その名前を覚えているとは、なかなかの強者。
もしかして文具大好き男子だったりするのかも?

「はい!!かしこまりました!こちらです!」

同じ文具好きという事で、ちょっと好感を持った私は張り切って返事をすると、イケメン客を売場へと案内する。

男女関係なく人気あるしあのデザインだもん、使いたくなる気持ち分かるな。
会社でこんないかにも仕事が出来そうな人が使ってくれたら、他にも誰か気になってシンプルモードのペンを使ってくれる人が増えたりするかも。
それだったら有り難いんだけどなぁ―なんて考えていれば、シンプルモードの売り場へとやって来た。
実は私が担当した売り場だったりするから、ワクワク半分ドキドキだ。
目の前でお客さんの反応を見ることが出来るのは、バイト時代以来だから―。

「こちらになります。一番人気はこちらにあるペンですね」
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