鬼上司は秘密の許嫁?!溺愛されるなんて聞いてません
「いらっしゃいませ」

女性店員さんがお水やおしぼりを並べる動きはゆっくりで、メニューの本日のランチ説明に入っても視線は常に部長だ。
イケメンはやはり注目されるんだなと思っていれば、私へも視線が向けられた。
その表情からは(どういう関係?)と伝わってきて、そこでハッとする。

まって?今、私と部長どう見られてるの?

部長はスーツで私は店舗のエプロン外してる私服だから、仕事の合間に恋人同士が一緒に食事に来たとか思われてる?

いや、それはないか。

というか、どうでもいい。
人に何て思われようとも関係ないことだ。
そして、部長と私は上司と部下以外に何でもないんだし。

ようやく店員さんが去って、お互いにメニューを見る。

何にしようかな?

ランチメニューはセットでちょっとお得だ。

よし、パスタにしよう。
部長は何にするのかな?

そのまま視線を動かして部長の顔を見ると、タイミングよく視線が合った。

「決まったか?」

「うっ、待ってください!」

考え事をしていたせいで、どのパスタにするか考えてなかった。
おまけに部長の視線と至近距離でぶつかったせいで、不本意だけど顔が熱くなる。

イケメンの顔面力を侮ってた!
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