ひと駅分の彼氏
☆☆☆

家に帰る電車の中で、私は真琴の姿を探した。


帰宅する生徒たちに紛れて青いスニーカーにジーンズ姿の真琴がいるのではないかと期待したが、そこに真琴の姿はなかった。


朝座っていた席には同じ制服を着た女子生徒が座って、大きな声で笑っている。


それを見て思わず顔をしかめてしまった。


自分と真琴との思い出を汚されたような、そんな気分になった。


仕方なく隣の車両に移り、空いている席に座る。


車窓から流れていく景色を見つめて、私はまた無意識のうちにネックレスに触れていたのだった。
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