ひと駅分の彼氏
私今真琴と会話しているんだよね?


あの日突然いなくなった真琴と、2人連続で!


まるで信じられなくて何度も瞬きをして真琴の存在を確かめる。


「どうした? 目にゴミでも入ったのか?」


「そうじゃないけど……」


そっと手を伸ばして真琴のヒザに触れる。


するとその手を強く握りしめられた。


確かに感じる真琴の存在と、ぬくもりに心が温められていくようだった。


電車の揺れに身をまかせて自然な感じで真琴の肩に頭を持たれかけさせた。


真琴はなにも言わずに私のしたいようにさせてくれる。


それが心地よくて目を閉じた。


「去年の秋のこと、覚えてる?」


耳に心地よく響く真琴の声。


「うん。覚えてるよ」


私は小さく頷いて答える。


「あの時も面白かったよなぁ」
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