ひと駅分の彼氏
「行ってみたい!!」


そのお土産物屋には水着姿のまま入店することができるようで、あちこちから潮の匂いが漂ってきた。


隣には塩ラーメン専門店もあり、魚介が乗っかっているらしい。


「なにこのキャラクター可愛い!」


お店の中央を陣取るようにして巨大なぬいぐるみが置いてある。


それは顔が貝の形をしていて、ピンク色のワンピースを来た女の子のぬいぐるみだった。


「可愛いかぁ?」


顔が貝の形をしているのがダメなのか、真琴はしきりに首をかしげている。


そんな真琴を無視してキャラクター説明を読んでみると、この海で多く取れる桜貝をモチーフにした桜ちゃんというキャラクターだということがわかった。


「私これ買う!」


巨大桜ちゃんの隣に置かれている、手のひらサイズの桜ちゃんマスコットを握りしめる。


「買うのかよ」


真琴は少し呆れ顔だけれど関係なかった。
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