ひと駅分の彼氏
☆☆☆
「懐かしいね」
私は隣に座る真琴へ向けてそう言い、カバンの中からポーチを取り出した。
ファスナー部分にはあの小瓶をぶら下げている。
小瓶がカバンの中で割れてしまわないよう、周囲をレジンコーティングしてあった。
小瓶を小さく揺らしてみると砂のような貝殻がサラサラと音を立てて揺れる。
途中で止めると少し白色が強い砂浜のような姿になった。
「本当にキレイだよね、これ」
「あぁ。あの海、行ってよかったよな」
真琴が懐かしむように目を細めてそう言うのでなんだか胸の奥に隙間風が拭いたような、切ない気持ちになってしまった。
「真琴も、小瓶はまだ持ってる?」
「もちろんだ。大切にしてある」
「そっか」
頷いたとき、次の駅に止まるためのアナウンスが車内に流れた。
ハッとして顔を上げる。
自分でも気が付かないうちに泣き出してしないそうな顔になっていたようで、真琴が強く手を握りしめてくれた。
次の駅に止まれば真琴は行ってしまう。
「懐かしいね」
私は隣に座る真琴へ向けてそう言い、カバンの中からポーチを取り出した。
ファスナー部分にはあの小瓶をぶら下げている。
小瓶がカバンの中で割れてしまわないよう、周囲をレジンコーティングしてあった。
小瓶を小さく揺らしてみると砂のような貝殻がサラサラと音を立てて揺れる。
途中で止めると少し白色が強い砂浜のような姿になった。
「本当にキレイだよね、これ」
「あぁ。あの海、行ってよかったよな」
真琴が懐かしむように目を細めてそう言うのでなんだか胸の奥に隙間風が拭いたような、切ない気持ちになってしまった。
「真琴も、小瓶はまだ持ってる?」
「もちろんだ。大切にしてある」
「そっか」
頷いたとき、次の駅に止まるためのアナウンスが車内に流れた。
ハッとして顔を上げる。
自分でも気が付かないうちに泣き出してしないそうな顔になっていたようで、真琴が強く手を握りしめてくれた。
次の駅に止まれば真琴は行ってしまう。